第6位 日刊ゲンダイ 『“テレビの仕事を辞めよう”と決めた翌日』
連載中の三谷幸喜さんのコラムでは、三谷さん初期の代表作
『やっぱり猫が好き』と巡り合う経緯を紹介しています。
既に放送を開始していたこのコメディを偶然見ていた三谷さん、
最後に流れるエンドロールで、よく知っているプロデューサーや演出家、
作家が多く名を連ねていることにショックを受け、
「僕だけ誘われなかった!」、「テレビの仕事を一切辞めよう」と決意。
そう決めた翌日、この番組の製作スタッフから、「作家が足りないので
書いて下さい」という依頼の電話が掛かってきた、と、その運命の
不思議さを伝えています。
ふかわ ちなみにマツコさんはこういうような心境の時って
あるんでしょうか?
あー なんかやっぱり ミッツさんとかIKKOさんとか
クリスさんとか愛ちゃんとかカバちゃんとかが
みんな揃ってると 「ヤダ」って思う時あるよ
「何であたし・・・」
「あたしもいたかったわ」みたいな
時はあるよね やっぱり うん
「楽しそう・・・」みたいな
「何でダイアナさんまでいるのにあたしいないのよ!」っていうね
そういう思いはあるわよね やっぱり うん
ふかわ ちなみに、マツコさんが「テレビの中に入ろう」、「テレビの
中で生きていこう」と決めた瞬間ってあったんでしょうか?
エー・・・?
若 林 ここ最初でしょう?
そう ここはもうほら 惰性でダラダラやってるだけじゃない?
ふかわ ある種そのー民放といいますか・・・
あとほら まだ今の地デジじゃなかったし こんなのもう見ようと
思う人しか見れない局だったから ほぼ見てなかったのよ 誰も
ふかわ 最初アンケートも50人くらいしか・・・
そんなもんよ だからもう葛飾ケーブルテレビに出てるぐらいな
感覚で出てたわけよ
若 林 よくマツコさんが言ってたのは『東京都の校内放送』って言ってた
ふかわ その状態からその今の色んな番組に出演されてますけど
どっかで気持ちの切り替えっていうのがあったんでしょうか?
え、だから何かあれよね あのー惰性よね
若 林 一時期さあ、でもさ「魂売ったわ」って騒いでる時なかった?
だからそうそう・・・
若 林 「抗ってたんだけど魂売ったわ」って騒いでる・・・
抗ってたっていうか だから魂を売る作業じゃない?これって
一人でも多くどんどん見る人がなってくっていうのは
それだけ魂をばら撒いてるわけじゃない?
でやっぱりそれに対するさあ 恐怖みたいのはあったけど
でもだから何かこう 「じゃあこれがんばりましょう」と思って
何かやったっていうのはないわね
もう 成り行き
ふかわ ちなみに『魂を売る恐怖』っていうのはどういう感じ
なんでしょうか?
え、だって何か こんなんさ 本当にただやりたいことだけやってる
わけにもいかないじゃないテレビってさあ サービスをするものじゃない?
だからそれと その完全に自分のポリシーと違うことをやってることは
ないけど そこは脚色したりさぁ 大げさにするわけじゃない?
だからそれが自分の真意とは100%合致しないわけじゃない?
それを繰り返すことに対するあれはあるわよねやっぱり
ふかわ じゃあ先週の「私はマスメディアの犬になりました」っていうのは
なまじノリで発言したことではないと・・・
全然ノリじゃなくて本心よ
だっておまんまを食ってんだから それは言うことを聞くのは
当然じゃない?うん
ふかわ (コクリと頷く)
何よあなた本当に!何なのあなた!
あなた、また涙ぐんでない?
ふかわ いやこれはまた別のラインがありまして
また違う涙腺なの?
ふかわ 違う涙腺があります
何?どうしたの今日?
ふかわ やっぱりテレビで生きていくっていうのはある種の犬になる
必要があることなんですね
いやもう電波芸者ですよ
ふかわ (小さい声で)電波芸者・・・
お呼びが掛かったら ちょっとでも 科を作って お酌をして
またお呼びがかかるのを待つっていうのの繰り返しじゃない?こんな仕事
ふかわ さっきの焼酎、テキーラに換えて下さい ショットで行きます
ありがとうございました
いいえ